近年のWebマーケティングにおいては、大きく分けてオウンドメディア・ペイドメディアという2つの手法が主流として活用されています。企業のマーケティング活動は限られた予算でパフォーマンスの最大化を図る必要があるため、上記メディアの特性を理解して、上手く使い分ける必要があります。
当記事では、オウンドメディア・ペイドメディアそれぞれの基礎知識・効果的な活用方法・連携の重要性・具体的な成功事例までを解説します。
より高いマーケティング成果を得たい方は、ぜひ参考にして下さい。
目次
オウンドメディアとペイドメディアの基礎知識

ここでは、オウンドメディアとペイドメディアのそれぞれの概要・特徴、そして近年活用事例が目立ってきたアーンドメディアについて解説します。
オウンドメディアの概要・特徴
オウンドメディアとは、企業が自社で所有する情報発信媒体のことです。サービス・製品の魅力を伝えるメディアです。自前の媒体であるため、企業が直接的にコントロールできるのが特徴です。
オウンドメディアの種類はさまざまで、具体的には公式サイト・コンテンツ・ECサイト・SNSアカウント・ブログなどが該当します。しかし、近年ではコンテンツマーケティングに使用するメディアを指すのが一般的となっています。
オウンドメディアのメリット・デメリット
オウンドメディアのメリット | オウンドメディアのデメリット |
---|---|
広告費用がかからない | 成果が出るまで時間がかかる |
ブランディングに最適 | 上質なコンテンツが必須 |
潜在顧客へのアプローチが可能 | 継続的な更新が必要 |
メリット
- 広告費用がかからない
広告費用をかけず長期的な視点で集客できるのがメリットです。一度制作したコンテンツは、継続的にアクセスを集め続けることができます。 - ブランディングに最適
ブランドイメージを戦略的に構築できるため、企業価値の向上を図ることが可能です。ユーザーの関心や悩みにフォーカスした情報を提供することで、ファンの獲得・ロイヤリティ向上を図ることもできます。 - 潜在顧客へのアプローチが可能
検索エンジンからの自然な流入が期待できるため、潜在顧客の発掘に適しています。ユーザーにコンテンツを読んでもらうことで、熱量の高い見込み顧客へ育成することもできます。
デメリット
- 成果が出るまで時間がかかる
目に見える成果が現れるまでには半年~1年程度の期間が必要です。即効性はないため、他の施策と組み合わせながら進める必要があります。 - 上質なコンテンツが必須
マーケティング効果を得るには、上質なコンテンツを継続的に投下し続ける必要があります。ノウハウの確立・人材確保・体制構築が大きな課題となるでしょう。 - 継続的な更新が必要
コンテンツの更新が滞ると、サイトの評価が徐々に低下するリスクがあります。特に競合が多い場合には常に順位下落のリスクがあるため、更新を怠らないことが重要となります。
オウンドメディアの運営を成功させるには、ユーザーが検索するキーワードを発掘し、価値ある情報を継続的に提供することが重要です。クオリティ担保と定期的な更新を徹底し、長期的視点で時間をかけて運用していくことがポイントとなります。
また、競合との差別化を図るため、独自性や専門性を活かしたコンテンツ制作を意識することも必要です。
ペイドメディアの概要・特徴
ペイドメディアとは、企業が費用を支払って利用する広告媒体のことです。代表的な媒体は、Google広告・SNS広告・テレビCMです。広告費用を投下することで、企業は目的に応じた情報発信を行うことができます。
ペイドメディアのメリット・デメリット
ペイドメディアのメリット | ペイドメディアのデメリット |
---|---|
即効性が高い | コストがかかり続ける |
ターゲットを狙い撃ちできる | 広告出稿中しか効果が得られない |
コントロールできる要素が多い | 広告単価が高騰する場合がある |
メリット
- 即効性が高い
即効性が高く、広告出稿後すぐに多くの人々へ情報やメッセージを届けることができます。期間限定キャンペーン・新規プロモーションの集客等にも柔軟に対応可能です。 - ターゲットを狙い撃ちできる
「年齢」「性別」「興味・関心」等の詳細な条件設定により、リーチしたいユーザー層を絞り込み、ピンポイントでアプローチできます。 - コントロールできる要素が多い
広告の出稿量・表示場所等を調整することで、露出量やコストをコントロールすることが可能です。
デメリット
- コストがかかり続ける
運用には広告費用が継続的に発生し続け、予算管理が複雑化・煩雑化しやすいのがデメリットです。投資対効果が見えにくいケースもあるため、費用対効果を検証する手間は欠かせません。 - 広告出稿中しか効果が得られない
広告出稿を停止すると広告効果も即時に途絶えてしまうため、長期的なプロモーションやブランディングには不向きです。 - 広告単価が高騰する場合がある
業界・分野によっては広告単価が高騰しているため、広告費が嵩み費用対効果が低下するリスクがあります。
ペイドメディアを有効活用するには、目的やターゲットに合わせた最適な媒体を選ぶことが重要です。また、データ分析に基づき継続的な改善を重ね、投資対効果を最大化する努力が必要となります。
アーンドメディアの概要・特徴
アーンドメディアとは、企業が自社の商品・サービスに関する良質なコンテンツを提供した結果、顧客からの評価・支持・口コミを通じて獲得したメディアのことです。代表的な媒体は、「SNSでの良い口コミ」「ECサイトの商品レビュー」「自社商品・サービスを紹介してくれているブログ」です。
意図的に活用するのは難しいものの、信頼性が高く効果が大きい情報発信手段として、近年大きな注目を集めています。
アーンドメディアのメリット・デメリット
アーンドメディアのメリット | アーンドメディアのデメリット |
---|---|
信頼性が高い | コントロールが難しい |
広告コストを低減できる | 効果の予測が困難 |
長期的な効果が見込める | 継続的な企業努力が不可欠 |
メリット
- 信頼性が高い
企業の意図を介さない第三者の自発的な情報発信であるため、客観性・信頼性が高いのが特徴です。潜在顧客への影響力も大きく、実際に消費者の意志決定に大きな影響を与えます。 - 広告コストを低減できる
直接的な広告費用が発生しないため、コスト負担を低減できます。ただし、良い情報発信が発生するように、上質な商品・サービスの提供・顧客満足度向上といった企業努力は不可欠です。 - 長期的な効果が見込める
一度獲得した上質な評価や口コミは効果を発揮し続けるため、長期的・持続的なプロモーション・ブランディングに寄与します。
デメリット
- コントロールが難しい
情報発信は第三者の自由意志によるため、企業側でコントロールするのは困難です。ネガティブな評価や意見が拡散されるリスクもあります。 - 効果の予測が困難
情報発信は自然発生的であり、数値化した効果測定や効果予測が困難です。成果が見られるまでに時間がかかることも多く、短期的に意図的な成果を得るには不向きです。 - 継続的な企業努力が不可欠
第三者の情報発信を誘発するには、良質で満足度の高い商品・サービスを継続的に提供し続ける必要があります。組織全体で長期的に努力を継続する必要があります。
アーンドメディアを効果的に活用するには、優れた商品・サービスを提供しつつ、顧客との良好な関係構築に努めることが重要です。
意図的に活用するというよりは、顧客の声に耳を傾け、継続的な努力と改善を行った結果、副次的に得られるメディアと言えるでしょう。
マーケティング成功のための連携施策の考え方
オウンドメディアとペイドメディアは、連携させて運用することで、より高い成果を得ることができます。以下に、両メディアを連携させるための考え方について解説します。
連携施策が重要である理由
オウンドメディアとペイドメディアは、マーケティング施策において下記のような特性を持ちます。
質の高いコンテンツを蓄積し続けることで、企業の長期的なマーケティング基盤として機能します。時間の経過とともに価値を増す情報資産となるため、持続的な顧客獲得基盤として活用できます。
また、企業の独自性・専門性を発信し続けることで、ブランディング・企業価即効性の高いリード獲得手段としてのペイドメディア
即効性の高いリード獲得手段として活用することができます。短期間で幅広い層への情報発信が可能で、認知度向上・集客・直接的な商品販売等、さまざまな目的を達成可能です。
広告の出稿量・表示場所を工夫すれば、コストを低減しつつより良い成果を得ることもできます。
両者を組み合わせることで、短期的施策と長期的施策の両方をカバーすることが可能となり、また両者の欠点を相互に補完することも可能です。
両メディアの連携で高い成果を得るには、発信するメッセージに一貫性を持たせ、スムーズな導線設計を行うことがポイントとなります。
オウンドメディア・ペイドメディアの役割分担・組み合わせ
オウンドメディア・ペイドメディアを連携させる際には、役割分担を効果的に行うことが重要です。以下に詳しく解説します。
オウンドメディアの主な役割
メディアを訪れたユーザーに対して有益な情報を提供し、ロイヤリティ向上と継続的な関係構築を図ります。時間と回数をかけて、再販促進・顧客育成をじっくりと行うのが主な役割となります。
ペイドメディアの主な役割
広告プラットフォームの機能を活用して、潜在顧客との初回接触を図るのが主な役割となります。細かなターゲティングを実施し、潜在顧客へ効率的にアプローチを行います。
具体的な組み合わせ例
- ペイドメディア・オウンドメディアを並行して活用していく
ペイドメディアで獲得した見込み顧客をオウンドメディアへ誘導し、後者の集客を強化・促進します。商品・サービスの理解促進等の顧客育成は、オウンドメディア主体で行います。 - 徐々にオウンドメディア主体のマーケティングへ移行
オウンドメディアの成長段階では、主にペイドメディアを活用して集客を図ります。オウンドメディアが育つにつれ、徐々にペイドメディアへの依存度を下げ、広告費を削減。最終的には、自然検索流入を主体とした広告に頼らない集客を目指します。 - オウンドメディアの新規集客をペイドメディアで強化
オウンドメディアを運営しており、リピートは充分確保できているけれども、新規集客が弱い場合は、一時的にペイドメディアで新規流入を強化するのも効果的です。新規顧客を十分に確保し、リピーター化を図れたタイミングで、ペイドメディアの利用を減らしていきます。
状況に応じて上記のような役割分担と連携を行うことで、短期的な成果と長期的な基盤構築を両立させ、効果的なマーケティング戦略を展開することが可能です。
オウンドメディアとペイドメディア活用方法
オウンドメディアとペイドメディアを連携させるには、各メディアの活用方法を知っておくことが重要です。具体的にどのように運用していけばよいのかを以下に解説します。
オウンドメディア運用の基本ステップ

オウンドメディアは、一般的に以下のようなステップで運用を行っていきます。
- 現状分析・目標設定
現状の課題を分析して、明確な目標を設定します。「月間売上500万円」「ブランド認知度30%向上」等、具体的な数値を設定するのがポイントです。
運用メンバー・仕様ツール等の準備やリソース配分も検討しておきます。 - ターゲット層の特定
メディアが求めるターゲット層を、具体的なペルソナを設定して定義します。例えば「30代・子育て中の主婦・健康に関心が高い・月の自由支出額は5万円」といったイメージです。
ペルソナ設定により、コンテンツ制作の方向性が明確化されます。 - キーワード選定
Googleキーワードプランナー等のツールを使用して、ターゲットへの訴求力が高いキーワードを選びます。検索ボリューム・競合の状況を把握しながら、顧客のニーズに合ったキーワードを発掘します。 - コンテンツ制作
ユーザー視点を意識して、ユーザーが求める情報を提供する質の高いコンテンツを制作します。地道に上質なコンテンツを投下し続けることで、自然とSEO効果も高まっていきます。 - 定期的な更新・改善
アクセス解析ツールのデータを基に、読まれている記事の特徴を分析して、今後の新規コンテンツ制作に反映していきます。定期的な更新・改善を地道に繰り返すことで、より多くのユーザーに価値を届けるメディアへと成長させていくことができます。
ペイドメディア運用の基本ステップ

ペイドメディアは、一般的に以下のようなステップで運用を行っていきます。
- 目的・ターゲットの明確化
「ブランド認知向上」「リード獲得」等、広告運用の具体的な目標を設定します。自社の主なターゲットを特定し、「年齢」「性別」「興味・関心」といったターゲットの特性を分析しておきます。 - 広告プラットフォームの選定
Google・Facebook・Yahoo!・LINE・Amazon等、各広告プラットフォームの特性を把握し、目的に最も適したプラットフォームを選定します。複数のプラットフォームを併用することも検討します。 - 広告クリエイティブの作成
広告クリエイティブとは、広告として制作された画像・コピー・デザインの総称のことです。ターゲットのニーズに合わせて設計し、各プラットフォームの広告フォーマットに合わせて最適化を行います。 - 予算配分
各プラットフォームでテストマーケティングを実施し、効果測定を行います。テストの結果を基に目標CPAを設定し、適切な広告予算を決定します。 - 広告管理
より高いパフォーマンスを狙うため、広告配信データを分析して、効果の高いプラットフォームに予算を集中させます。クリエイティブに関してもA/Bテストを実施し、より効果的なものへ差し替えます。
広告配信は、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Act)というPDCAサイクルを繰り返し、継続的に最適化を図っていくことがポイントです。
オウンドメディア・ペイドメディアの効果測定
オウンドメディア・ペイドメディアでは、数値を基に分析・改善を重ねるため、以下のような効果測定を行うことが必須となります。
オウンドメディアの効果測定の指標
Googleアナリティクス等のアクセス解析ツールを活用することで、メディアの状況を詳細に把握することができます。分析対象となる主な指標は以下の通りです。
- アクセス数に関する指標
「PV数(ページビュー数」「UU(ユニークユーザー数)」「SNSシェア数」等が主な計測対象となります。 - ユーザーの動向に関する指標
「トラフィックソース(アクセス経路)」「オーガニック検索数(広告を除いた検索結果からのアクセス数」「セッション(ユーザーがサイトを閲覧して離脱するまでの行動)」等が分析対象です。 - 成果に関する指標
「CV数(成果の数を示す指標)「直帰率(ユーザーが最初のページだけを見て離脱する割合)」「平均セッション時間(ユーザーの訪問から離脱までの平均滞在時間)」
ペイドメディアの効果測定の指標
広告プラットフォームの管理画面を使用し、広告の遷移先にタグを設定して効果測定を行います。Gogoleアナリティクスを併用して詳細な分析を行う場合もあります。
主要な指標は以下の通りです。
- インプレッション数
ユーザーに対して広告を表示した回数 - CTR(クリック率)
広告の表示回数に対するクリック数の割合 - CVR(コンバージョン率)
クリックしたユーザーのうち、目的の高度に至った割合 - CPA(獲得単価)
1件のコンバージョンを獲得するのにかかった広告費 - ROI(投資対効果)
広告投資によって得られた利益の割合
オウンドメディア・ペイドメディアの効果測定のポイント
効果測定は、短期的・一時的に確認するのではなく、中長期的視点でパフォーマンスの推移を評価することが重要です。ビジネスのフェーズに応じて適切な測定方法を選び、改善に役立つデータを取得することがポイントとなります。
オウンドメディア・ペイドメディアのKPI設定
オウンドメディア・ペイドメディアはそれぞれ役割が異なるため、KPIの設定についても異なる視点で設定する必要があります。
オウンドメディアのKPI設定
検索流入の拡大を図りつつユーザーを定着させ、長期的な成長を目指すことが重要です。主に使用する指標は、「セッション数」「直帰率」「コンバージョン数」です。加えて、「PV(ページビュー数)」「UU(ユニークユーザー数)」「オーガニック検索流入数」「平均検索順位」「SNSシェア数」等も評価の対象となります。
実際にKPIを設定する際には、以下のようにフェーズごとに設定するのが効果的です。
- 立ち上げフェーズ
PV数・UU数・SNSシェア数を重視 - 成長フェーズ
記事数・オーガニック検索流入数を重視 - 改善期
コンバージョン数・平均検索順位を計測
ペイドメディアのKPI設定
短期間で成果を上げる必要があるため、広告の費用対効果を重視する必要があります。主に使用する指標は、「CTR(クリック率)」「CPA(獲得単価)」「ROI(投資対効果)」です。必要に応じて「ROAS(広告費用対効果)」「CV(コンバージョン数)」「IMP(インプレッション数)」等の指標も活用します。
実際にKPIに指標を活用するポイントは以下の通りです。
- 広告コストの管理
CPAを計測して広告1件あたりの獲得コストを管理 - 広告の売上への貢献度を管理
ROASを用いて、投資した広告費がどの程度売上に貢献したかを評価 - 広告の利益への貢献度を管理
ROIを使用し、広告投資が利益にどのように貢献したかを分析
オウンドメディア・ペイドメディアのKPI設定時のポイント
KPIを設定する際には、具体的かつ測定可能な指標を選び、KGI(最終目標)から逆算してKPIを設定することが重要です。定期的に進捗を確認してPDCAサイクルを回すことで、マーケティング効果をより高めることができます。
オウンドメディア×ペイドメディアの連携で成功した事例
オウンドメディアとペイドメディアの連携にはさまざまな方法があるため、実際の企業の成功事例を参考にするのがおすすめです。事例を参考にすることで、オウンドメディア・ペイドメディアの連携を具体的にイメージできるようになるため、自社に近しい事例をたくさん参考にしましょう。
以下に、おすすめの成功事例を3つ紹介していますので、参考にして下さい。
HR-Tech企業の事例
人材管理システムを提供するHR-Tech企業A社は、オウンドメディア・ペイドメディアを戦略的に連携することで、驚異的な成長を実現しました。
同社はオウンドメディアのリリースからわずか半年という期間で、当初設定していた年間目標の2倍もの受注数を達成。
急成長の背景には、緻密に計画された二段階の戦略がありました。ペイドメディアの活用後、オウンドメディアの成長を促進。ペイドメディアで獲得した見込み客をオウンドメディアへ誘導し、有益な情報に触れてもらうことで、サービスへの理解を向上していきました。
上記戦略により、通常2年程度は必要とされるオウンドメディアの育成機関を大幅に短縮。結果として、コンバージョン率を大幅に向上させることに成功しました。
EC事業の事例
北欧雑貨のECサイトを運営するB社は、オウンドメディア・ペイドメディアの効果的な連携により、独自のブランド価値の確立とビジネスの成長を実現しました。
同社の戦略のポイントは、新たにオウンドメディアを立ち上げるのではなく、ECサイト内に「読みもの」というコラムセクションを設置し、ECサイトのオウンドメディア化を図った点です。
スタッフによる商品レビューや北欧文化の紹介記事を定期的に発信し、北欧のライフスタイルや文化に関する深い知見を提供することで、熱量の高いファンを獲得。コンテンツと導線の工夫で購入意欲を向上させました。
ペイドメディアでは、リスティング広告・SNS広告を活用し、オウンドメディアへの積極的な誘導を実施。ペイドメディア経由で訪れた見込み顧客は、質の高いコンテンツに触れることで商品への理解を深め、購入意欲を高めていくという戦略です。
同社は、上記の戦略を実施することで、潜在層からコアなファン層まで、幅広い顧客層へのアプローチに成功。ECモールへの出店も取りやめ、ビジネスの持続的な成長を実現しています。
BtoB企業の事例
世界的な半導体メーカーであるC社は、オウンドメディア・ペイドメディアを組み合わせた効果的なマーケティングを実施し、大きな成功を収めました。
同社は、業界に精通したインフルエンサーと協業して、専門性の高いコンテンツを自社メディアで展開。半導体技術の最新トレンド・製品の技術解説など、顧客ニーズに合致した質の高い価値ある情報を継続的に発信しました。
作成したコンテンツはSNS広告等のペイドメディアでも配信され、さらにはインフルエンサーを活用した各SNS媒体での情報拡散も実施。複数メディアでの計画的な情報発信により、110万件以上のエンゲージメントを獲得することができました。
BtoB企業にとって、オウンドメディアとペイドメディアの連携は難しいとされてきましたが、C社は戦略的なマーケティング施策を実施することにより、高いエンゲージメントを獲得するだけでなく、ブランド認知度の向上・業界におけるポジションの確立など、長期的な効果を生み出すことに成功しています。
よくある課題と解決策
オウンドメディアとペイドメディアの併用には、多くの壁が立ちはだかります。以下に、よくある課題とその解決策について解説していますので、参考にして下さい。
コンテンツ制作が進まない場合
コンテンツ制作が進まない主な原因は、「アイデアの枯渇」「制作メンバーの時間不足」「制作プロセスが非効率」であることが多く見られます。スムーズにコンテンツ制作を進めるには、以下3つの対策を講じることが効果的です。
- 制作プロセスの効率化
カレンダー等を活用して半年先までの計画を立て、企画・執筆・編集の役割分担を明確化します。定期的な進捗確認を実施することで、効率的な制作プロセスを構築することができます。 - リソースを最大限活用
CMSの導入・AIツールを活用した作業の効率化・外部ライターへのアウトソーシング等、リソースをフル活用することで、制作効率を高めることができます。 - データに基づいた制作
アクセス解析により、読者ニーズ・人気テーマに合わせたコンテンツ制作を実施します。無駄なコンテンツを制作する時間を省き、投資対効果の高いコンテンツ制作に注力ができます。
ペイドメディアに依存してしまっている場合
ペイドメディアへの依存度が高い場合は、ビジネスの収益性に長期的な影響を及ぼします。広告配信を停止した際には、集客力が低下するリスクも抱えるため注意が必要です。
以下の対策を講じておくと良いでしょう。
- オウンドメディアの強化
価値ある情報を継続的に発信することで、検索エンジンからの自然流入を増やすことが可能です。コンテンツは情報資産として蓄積されるため、徐々にペイドメディアへの依存度の低減を図ることができます。 - ソーシャルメディアの活用
情報の拡散性・即時性に優れており、定期的な情報発信により顧客とのコミュニケーションを活性化することができます。オウンドメディアと併用すれば、オーガニックリーチの拡大を効率的に実現できます。 - メールマーケティングの導入
メールは未だ有力なマーケティングチャネルであり、見込み客への直接的なアプローチ・既存顧客との関係強化を図るのに効果的なコミュニケーション手段です。費用対効果も高いため、ペイドメディアへの依存度を下げ広告費を削減したい場合におすすめです。
効果測定がうまくいかない場合
効果測定がうまく行かない理由には、「KPIの設定が曖昧」「測定ツールを使いこなせていない」「データ分析のノウハウが不足している」「チーム内で目標の共有ができていない」などが考えられます。以下のような対策を講じ、体制を見直してみるのがおすすめです。
- KPIを適切に設定
フェーズごとに現実的かつ具体的な数値目標を設定し、データとして測定可能な各指標を選定します。KPI設定後は、管理者だけでなくチーム全体で共有しておくことが重要です。 - 効果測定の環境を整備
アクセス解析ツール・広告管理ツール・レポーティングツール等、効果測定に必要な基本的なツールを揃え、メンバー誰もが使いこなせるようにしておきます。ナレッジ・ノウハウが不足している場合は、外部専門家によるコンサルティングやサポートの利用も検討します。 - PDCAサイクルを確立
定期的なMTGの実施・実践と効果測定・データに基づく戦略の見直し・改善策の実行と効果検証というサイクルを確立し、常にチームで実施できるようにルーティンに落とし込んでおきます。
オウンドメディアの内製ならBELYLがおすすめ!
コンテンツの内製に取り組むのであれば、メディア運営に特化したCMS「BERYL」がおすすめです。メディア制作の現場から改善を重ねて開発された製品であるため、企業のオウンドメディア運営を効果的にサポートすることができます。
主な特徴は以下の通りです。
BERYLの特徴
- マルチデバイスに対応しておりPC・タブレット・スマホ等のデバイスに合わせて最適化表示が可能
- 豊富な記事パーツ・変更履歴管理等、コンテンツ制作に便利な機能が充実
- 複数メディアの一括管理・柔軟なグルーピングが可能
- 高速ページ表示・マルチチャネル配信等、ユーザーエクスペリエンス向上に役立つ機能が充実
- 複数メディア一括管理・柔軟なグルーピング・ユーザー権限管理など、チームでの運用効率を高める機能も充実
- ヘッドレスCMSであるため、セキュリティに強く機能拡張性にも優れている
BERYLはWebメディア運営に最適化されたCMSであり、デザインの自由度が高く効率的なコンテンツ管理が可能です。優秀なWebディレクターを雇用したかのように、メディア運営の負担を軽減しつつ、情報発信力を大幅に向上させることができます。
これからコンテンツの内製に取り組む企業の方は、ぜひBERYLの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
オウンドメディアとペイドメディアの連携は、Webマーケティングで大きな成果を出すための重要な戦略です。
オウンドメディアでは低コストでの顧客育成が可能であり、ペイドメディアでは迅速な顧客獲得が可能です。両者の連携により両者を組み合わせることで相乗効果を発揮し、短期的な集客と長期的なロイヤリティ醸成を両立することができます。
Webマーケティングで大きな成果を目指すのであれば、自社のマーケティング戦略を見直し、ぜひオウンドメディア・ペイドメディアの効果的な連携に取り組んでみましょう。