WordPressは世界シェアのおよそ4割を占めるCMSですが、すべてのサイトに適しているわけではありません。サイトの目的や運営者の状況によっては、ワードプレスが適切ではない場合があります。

この記事では、ワードプレスを使わない方が良い理由や、ブログ運営する際のリスクや、デメリットの解消方法、向いていないケースがわかるようになります。

WordPressを使わない5つの理由

WordPressを使わない理由には、以下の5つがあります。

  1. ハッキングの標的になりやすく、セキュリティに懸念がある
  2. 過剰な機能によってサイトが重くなる
  3. カスタマイズにおける制約がある
  4. コストパフォーマンスが悪いケースがある
  5. 他のCMSやフレームワークの魅力が高まっている

1.ハッキングの標的になりやすく、セキュリティに懸念がある

WordPressは世界で最も使われているCMSであるため、ハッキングの標的になりやすい性質があります。

もしWordPressを乗っ取れる脆弱性を見つけた場合、世界の4割のWebサイトが乗っ取れるということです。
ハッカーにとっては、シェアの低いCMSを狙うよりも、WordPressを狙う方がリターンが大きいと言えます。

特に、古いプラグインやテーマには脆弱性が見つかりやすいため、定期的なアップデートが必要です。
実際に、JVN iPedia (IPAが運営する脆弱性情報のポータルサイト)によると、2024年に報告されたWordPress関連の脆弱性は1,488件も報告されています。

JVN iPedia - 脆弱性対策情報データベース 2024年 01月 〜

これらの脆弱性は、テーマやプラグインの開発者によって修正され続けています。
しかし、無料で配布されているプラグインは修正の責任が免除されているため、修正が遅れることがあります。

もちろん、対策次第ではWordPressでセキュリティを高めることはできますが、定期的なアップデートは不可欠です。
特に初心者にとってこの作業は大きな負担となるため、手間をかけられるかどうか導入前に検討しておくべきでしょう。

2.過剰な機能によってサイトが重くなる

WordPressには多機能なプラグインがそろっていますが、必要以上にプラグインをインストールするとサイトが重くなります。
表示速度は検索順位にも影響しますので、必要なプラグインだけをインストールできる設計力が求められます。

なお、高速にページを表示したい場合、そもそもWordPressでは対応が難しい場合があります。
WordPressはPHPによって動的にhtmlを生成する仕組みなので、静的htmlに比べると表示速度が劣りがちだからです。
より高速なサイトを構築するなら、静的サイトジェネレーターやヘッドレスCMSなどを使う方が良いでしょう。

3.カスタマイズにおける制約がある

WordPressではプラグインを使って簡単に機能を実装できる一方で、細かいカスタマイズには限界があります。
独自のデザインや機能を実装するには、一定のコーディング知識があることが前提となっています。
サイトのデザインによっては、他のCMSの方が適しているかもしれません。

また、WordPressは手軽にサイトを作成できる反面、コーディングやウェブ開発の知識を深める機会が少なくなります。
初心者が学びながら開発したい場合、他のCMSやフレームワークを使った方が、より多くの技術を身につけることができます。

4.コストパフォーマンスが悪いケースがある

WordPressはオープンソースなので、CMS自体は無料で使うことができます。
しかし、サーバー代や有料のプラグイン・テーマの購入代など、別途費用がかかることもあります。

美しいデザインや、こだわりのサイトを作りたい時、既存のテーマでは実現できないこともあります。
その場合、Web制作会社にオリジナルテーマの開発を依頼することになりますが、そちらも相応の費用がかかります。

また、他の有料CMSと違い、WordPressには電話サポートなどの専用の窓口がありません。
サーバー会社が対応してくれることもありますが、基本的には自力での解決が求められます。

このように、長期的に金銭的・時間的コストがかかるので、有料CMSの方がコストパフォーマンスが良い場合もあります。

5.他のCMSやフレームワークの魅力が高まっている

最近では、ヘッドレスCMSと呼ばれる新しいCMSや、GatsbyやNext.jsなどの人気のフレームワークが登場しています。

ヘッドレスCMSはWebサーバーとCMSサーバーが分離されているCMSで、高いセキュリティや柔軟なカスタマイズができる特徴があります。

GatsbyやNext.jsは、javascriptをベースにしたフレームワークです。
SEOで評価の高い高速表示ができることやコーディングのしやすさから、フロントエンドエンジニアに好まれています。

いずれもワードプレスの欠点を補いやすい新技術のため、将来性の高さから採用されることが増えています。

WordPressの利権をめぐるトラブルについて

こちらは記事執筆時点で進行中であり、まだ決着が着いていない問題です。

現在、WordPressの共同設立者であるMatt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)氏と、WordPressのホスティングサービスを提供しているWP Engine(ダブリューピーエンジン)社の間で、訴訟問題に発展するトラブルが起きています。

事の発端は、オレゴンで開催されたワードプレスキャンプの中で、Matt氏がWP Engine社を「WordPressにとっての癌」と痛烈に批判したことから始まります。

その後も

  • WP Engineで稼働しているWordPressのみ、テーマやプラグインの更新ができないようにした。
  • WordPress財団の商標ポリシーを、WP Engineを名指しする形で更新した。
  • WP Engineが開発したプラグインのコピーを、自社の名前で再リリースした。

など、WP Engineに対する攻撃的な姿勢を見せました。

今回の騒動は単なる企業間の利権争いではなく、オープンソースを使ってビジネスを行う上でのモラルが争点となっています。
賛否が分かれており、Matt氏を擁護する声、WP Engine社を擁護する声のどちらもあります。

最新情報やトラブルの詳細については、こちらの記事にまとめています。

まとめ

運用者のスキルやかけられるコストによって、ワードプレスを使わない方が良い場合があります。
導入前にデメリットやリスクの対策をきちんと把握しておき、最適なCMSを選びましょう。

無料で簡単に始められるのがWordPressのメリットですが、セキュリティや拡張性の高さなら、次世代型ヘッドレスCMSがおすすめです。

ヘッドレスCMS BERYL

有料のサービスになりますが、開発元のサポートが充実しており、WordPressでは実現が難しいサーバーの分離による高いセキュリティがあります。
API連携によりフロントエンドが自由に設計できるため、デザインにも制約がありません。

また、シンプルでモダンな開発環境が使えるため、SEOで評価されやすい高速表示も実現しやすくなっています。

WordPressのデメリットが導入のネックだった方は、ぜひヘッドレスCMSの「BERYL」をご検討ください。

>>メディア運営がしやすいヘッドレスCMS「BERYL(ベリル)」

この記事を書いた人
BERYL編集部
「BERYL編集部」は、Web制作、CMS関連、Webマーケティング、コンテンツマーケティング、オウンドメディアなど、多岐にわたる分野で専門的な記事を制作しています。デジタル領域における最新の技術動向や実践的な事例を通じて、マーケティング戦略を強化するための情報を発信いたします。 また、SEO対策やコンテンツの最適化にも注力。ユーザー目線でわかりやすく解説し、企業のマーケティング活動やコンテンツ運営をサポートします。