• WordPressで作ったサイトの表示が遅い・重い原因は?
  • WordPressの管理画面が重いときの対処法は?
  • サイトが重いとどんなデメリットがある?

当記事ではこのような疑問を解消するために「WordPressで作ったサイトの表示速度が遅い・重くなる原因」や「サイトが重いことによるデメリット」を解説します。

WordPressは世界中のウェブサイトで利用されているオープンソース型のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。

そんなWordPressを利用していて「ウェブサイトの動作が遅く感じる」「作ったウェブサイトの動きが重い」といった場合の原因と対処法をまとめました。

また、WordPressに代わるおすすめCMSも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

WordPressサイトの表示が遅い・重い原因

WordPressで作ったサイトの表示が遅い・重いときの主な原因は以下の5つです。

  1. 不要なウィジェットや重いプラグインを削除していない
  2. 画像や動画のデータが重い
  3. 動作が重いテーマ(デザイン)を使っている
  4. HTMLやCSSが最適化されていない
  5. サーバーの性能やスペックが合っていない

それぞれの原因を分かりやすく説明していきます。

1.不要なウィジェットや重いプラグインを削除していない

WordPressでは、ウェブサイトに載せるウィジェット(サイドバーや検索窓など)を自由にカスタマイズできます。
しかし、たくさんのウィジェットを画面上に設置すると、サイトに掲載する情報量が多くなり、結果として表示速度が遅くなってしまいます。

また、アクション付き(ポップアップ型、追従型など)の広告バナーも表示速度の低下原因になります。

その他、読み込みに時間がかかるプラグインの使用や、テーマとプラグインの相性が悪い場合も表示速度を落とす要因となります。

過去にインストールしたものの、不要になっているプラグインがないか確認してみましょう。

2.画像や動画のデータが重い

文章よりも画像の方が圧倒的にデータ容量が多いため、ページ内で大量の画像を使用している場合、表示速度が遅くなります。

また、画像はファイル形式(PNGやJPEGなど)によっても表示速度が変わってきます。

大半のサイトではPNGやJPEGといった形式の画像を添付していますが、これらの画像形式は圧縮率がそれほど高くありません。

最近は、より軽量化が期待できる「WebP形式」を採用するウェブサイトが増えていますので、サイトの画像をWebP形式へ変換する改善が効果的です。

3.動作が重いテーマを使っている

WordPressの魅力は用意されたテーマ(デザイン)を使うことで、誰でも簡単にオシャレなウェブサイトを作れる点です。

しかし、動作が重いテーマ(特に外部の有料テーマ)を使用している場合は表示速度が遅くなる可能性があります。
アニメーションなど動きのあるデザインは、表示速度について考慮されていないことが多いためです。

使用しているテーマが遅い場合は、別のテーマへの変更を検討しましょう。

4.HTMLやCSSが最適化されていない

WordPressの表示速度が遅くなる原因の一つに、HTMLやCSSの最適化不足があります。

特に、ブラウザがページの描画を一時的にストップしてしまう「レンダリングブロック」を起こさないことが重要です。

webフォントやjavascriptなど、外部ファイルを参照する場合に、レンダリングブロックが起きやすくなります。

すぐに使用しないリソースについては遅延読み込みをするなど、ページの特徴に合わせてHTMLやCSSを最適化する必要があります。

5.サーバーの性能やスペックが合っていない

使用しているサーバーの性能やスペックがウェブサイトと合っていないことも、表示の遅れを招く原因です。

特に無料サーバーや格安サーバーを使っている場合は、契約しているプラン内容を確認しなおしてみましょう。

最新バージョンのPHPプログラムを使用しているか、静的ファイル(キャッシュ)を有効化しているかどうかが大事なポイントです。

WordPressサイトが遅い・重いときの対処法

ここからはWordPressで作ったサイトが遅い・重いと感じる場合の対処法を紹介していきます。

  1. 要らないプラグインを削除する
  2. 画像ファイルを最新フォーマットに変換する
  3. 動画データはYouTubeを利用する
  4. ソースコードを改善する
  5. キャッシュを活用する
  6. サーバーの種類やプランを変更する

ひとつ目から順番に試すことで、ウェブサイトの動きを遅くしている原因が分かります。

1.不要なプラグインを削除する

ウェブサイトや記事の読み込みが遅い時には、まずWordPress内で不要なプラグインを削除しましょう。

不要なプラグインをアンインストールすることで動作スピードが改善されることもあります。

また、ウェブサイト全体に適用しているテーマとプラグインの相性が悪いケースもあるため、1つずつ精査することも重要です。

★WordPressを高速化するプラグインを詳しく知りたいなら
WordPressの高速化プラグイン9選!速度計測や必須施策を徹底解説

2.画像ファイルを最新フォーマットに変換する

画像を大量に使用するウェブサイトの場合、画像ファイルの形式の変更が効果的です。

一例を挙げると、最近は圧縮率が高い「WebP」を導入するウェブサイトが増えています。

「WebP」は記事の表示速度を上げるために開発されたフォーマットです。

pngやjpegからWebPに変換するサイトを使えば簡単に変換できますので、ぜひ試してみてください。

3.動画ファイルはYouTubeの埋め込みを使用する

動画を直接WordPressにアップロードすると、動画の長さや本数によってはサーバー容量を圧迫してレスポンスが悪くなります。

ページの表示を重くせずに動画を埋め込むには、YouTubeの埋め込みを活用しましょう。

その際、以下のような機能を利用すると、より快適な読み込みになります。

① loading="lazy" を使用する

<iframe> に loading="lazy" を追加することで、スクロールするまで動画を読み込まないようにし、初期ロードの負担を軽減できます。

② YouTubeファサード方式を活用する

動画の代わりにサムネイル画像を表示し、クリックしたタイミングで <iframe> を読み込むことで、初期ロードの負担を軽減することができます。

4.ソースコードを改善する

ウェブサイトを構成するソースコードを改善することで表示速度を上げる方法もあります。

乱雑なソースコードを使用しているとウェブサイトを表示するときに余計な動作が入り、読み込み時間が長くなってしまいます。

なお、WordPressではソースコードを最適化させるプラグイン(例:Autoptimize)が使えますので、プログラミング知識がない方でも簡単に修正が可能です。

5.キャッシュを活用する

WordPressの表示を高速化する方法としては「キャッシュの活用」も挙げられます。
(例:プラグイン WP Super Cache など)

キャッシュとは一時的に保存するデータのことです。
ウェブサイトへのアクセスが行われたとき、その都度データベースから記事の情報を呼び出していると表示速度に遅れが出てしまいます。

しかし、過去に呼び出した記事(キャッシュによる一時保存データ)なら、すぐに読み込めるため、結果として表示スピードが上がります。

6.サーバーの種類やプランを変更する

ここまで解説してきた対処法を試しても表示速度の遅れが改善されない場合、サーバーのスペックが足りていない可能性があります。

現在のサーバー使用量(ストレージ容量や転送量)に応じて、適切なプランを選択しましょう。

なお、サーバーのプランを引き上げると月額費用も増しますが、ウェブサイトの収益性を保つためには必要なコストと言えます。

WordPressの管理画面(データベース)が遅い・重い原因と対処法

WordPressの管理画面自体の動きが遅い原因としては、以下の理由が考えられます。

通信環境の問題(ネット回線やWi-Fiの強度)

WordPressの管理画面がスムーズに動かないときは、まず通信環境をチェックしましょう。
使用しているネット回線やWi-Fiの通信速度が低下している場合は、その問題点を解決することでWordPressの画面も正常に動き出します。

メディアファイル(動画や画像データ)が溜まりすぎている

通信環境に問題がないときは、WordPress内のデータ量を確認してみてください。
動画や画像といったメディアファイル、保存している記事の量が多すぎるといった理由で動きが重くなっているかもしれません。

ソースコードやプラグインの不具合

その他の原因としてはカスタムしたソースコードの不具合、一部のプラグインの影響によってWordPress自体に負荷が掛かっている可能性も考えられます。

WordPressを使い始めてから一度も中身を整理したことがない場合は、この機会に不要な画像ファイル・記事・プラグインを削除してみましょう。

様々なデータを削除しても動きが改善されない場合は、サーバーのプラン変更を検討してみてください。

WordPressの応答が異常に遅いときの表示速度を診断

WordPressで作ったウェブサイトの応答が異常に遅いときは、一度「表示速度の診断」を試してみましょう。

簡単にページの表示速度を調べたいときは「PageSpeed Insights」がおすすめです。

【PageSpeed Insightsの使い方】

  1. PageSpeed Insightsを開く
  2. 表示速度を調べたい記事のURLをコピペする
  3. 数秒~十数秒ほど待つ
  4. レポートの結果を確認する
  5. 「パフォーマンスの問題を診断する」を参考にして改善点を探す

ページを下にスクロールすると「パフォーマンスの問題を診断する」の内容が確認できます。
各評価項目と意味は以下の通りです。

  • First Contentful Paint:記事内のコンテンツが最初に表示されるまでの速度
  • Largest Contentful Paint:記事内のメインコンテンツ(画像や文章)が表示されるまでの速度
  • Total Blocking Time:読者がページ内を操作できるまでに掛かる時間
  • Cumulative Layout Shift:記事を読み込むときに生じるレイアウトのズレ(度合い)
  • Speed Index:記事が表示されるまでに掛かる時間

こうした項目を数値化し、トータルのスコアを出してくれるところが「PageSpeed Insights」の特徴です。

なお、一般的にパフォーマンススコアが「50以上」であれば、閲覧に問題のないスコアです。90~100であれば、非常に良いスコアとなります。

仮に「49以下」だった場合は記事単体またはウェブサイト自体に問題があるため、何かしらの対処が必要です。

WordPressサイトが遅い・重いことによるデメリット

ここではウェブサイトの動きが遅いことで生じるデメリットを解説していきます。

読者の直帰率・離脱率が上がる

ウェブサイトや記事の読み込みが遅いと、せっかくアクセスした読者が「直帰(すぐに前のページへ戻る)」してしまいます。

※ユーザーの心理:「記事にアクセスする」⇒「読み込みが遅い」⇒「別のページで情報を得よう(直帰率の上昇)」

一生懸命にウェブサイトや記事を作っても、読んでもらえなければ意味がありません。

また、読者の直帰率や離脱率が上がると、検索エンジン(GoogleやYahoo!など)から「有用な情報が載っていないコンテンツ」と判断されてしまい、SEOでの評価も下がってしまいます。

検索順位に悪影響を与える

前述の通り、読者がすぐにウェブサイトから離脱すると、検索エンジンでの順位にも悪影響が出ます。

検索エンジンは独自のアルゴリズムによって検索順位を決めていますが、当然「多くの方にとって有意義なコンテンツ」が最上位に選ばれます。

逆に、離脱率が高いウェブサイトは「情報量が十分ではない」「読みやすいコンテンツではない」「結果として記事の満足度が低い」と判断されるため上位には掲載されません。

つまり検索順位を上げたいのであれば、十分な情報量を維持しつつ、表示速度を上げる工夫が必要ということです。

利益の低下や収益化の妨げになる

表示速度の遅さは、間接的にWebサイトから得られる利益に影響します。

一例では、電気通信会社のVodafoneでは、ページのスコア改善を実施したところ

  • 売上が8%増加
  • 顧客の訪問率が15%向上
  • カートの訪問率が11%向上

したという改善例があります。

参考:Vodafone:LCPを31%改善し、売上を8%増加 | web.dev

また、日本の楽天グループのサイトである楽天24では、LCPのスコアを改善したところ

  • 訪問者あたりの収益が53.37%増加
  • コンバージョン率が33.13%増加
  • 平均注文額が15.20%増加
  • 平均利用時間が9.99%増加
  • 離脱率が35.12%低下

といった成果があったと報告されています。

参考:楽天24がウェブに関する主な指標に投資したことで、訪問者あたりの収益が 53.37%、コンバージョン率が33.13%増加した理由 | web.dev

このように、ページスコアは売り上げに大きく関係します。

WordPressが遅い・重いに関連したよくある質問

WordPressが遅い・重いに関連したよくある質問をまとめました。

公開した記事の反映が遅いときの原因は?

公開した記事が検索エンジン上に反映されるまでの間には多少の時間差があります。

できるだけ早く反映したいときはGoogleSearchConsoleのURL検査を実施しましょう。(インデックス登録を早める効果が期待できます)

WordPressの読み込みが終わらないときの対策は?

WordPress上で作業していて読み込みが終わらないときは、まず通信環境を確認します。

ネットの通信速度に問題がない場合はWordPressのテーマ、プラグインなどに原因があるかもしれません。

テーマやプラグインをアップデートすることで読み込みの遅延が解消されるケースもあります。

WordPressが急に遅くなったときの対処法は?

WordPressの動きが急に遅くなったときも、まずは通信環境をチェックします。

また、使用しているサーバーが正常に動いているかも確認してください。

Wi-Fiやサーバーに問題がない場合はWordPressのバージョンやテーマのアップデート情報を調べましょう。

急にWordPressが遅くなった場合、ハッキング攻撃を受けて悪意のあるプログラムを埋め込まれている可能性もあります。
サーバー会社に相談すればセキュリティチェックをしてくれることが多いので、各サーバー会社のメール問い合わせから相談してみてください。

スマホでの表示が遅い場合はどうすれば良い?

PCでは問題なく見られるのにスマホだと表示が遅くなるという場合は、レスポンシブデザインに問題がある可能性があります。

一般的なワードプレスのテンプレートでは、デフォルトでレスポンシブデザインが適応されています。
ただし、業者に依頼してオリジナルテンプレートを作ってもらった場合、スマホデザインへの対応が漏れている場合があります。

スマホでページを表示してみた上で

  • 画面の範囲外に画像がはみ出ている
  • 埋め込み動画が再生されない
  • 意図したレイアウトにコンテンツが表示されない

などの不具合があれば、制作者に問い合わせてみましょう。

 

WordPressの初回アクセスが遅いのはなぜ?

WordPressで作成したウェブサイトの初回アクセスが遅いと感じる理由は「キャッシュが作成されていない」ことが考えられます。

ブラウザは、一度アクセスしたページを再表示するとき、一時的に保存していたページデータ(キャッシュ)を使ってページを表示することがあります。

初回アクセスの場合はキャッシュが存在しない状態のため、最初からページを生成する時間が必要なので、アクセスが遅いと感じます。

初回アクセスでも高速でページを表示するためには、本記事で解説してきた高速化の方法か、静的サイトジェネレータなどでページの生成工程をスキップする手法があります。

WordPressが遅い・重いと思ったら

WordPressはバックエンドとフロントエンドが一体となったCMSのため、アクセスのたびにページを生成する仕組みとなっています。

大量のアクセスがあるとサーバーに負荷がかかり、WordPressの表示が一気に重くなるので、大規模サイトを運営する上での悩みとなっています。

この問題を解決できるのが、最新型のCMSであるヘッドレスCMSです。

ヘッドレスCMSはバックエンドとフロントエンドが分離しているタイプのCMSです。

WordPressよりも自由に外部ツールと連携できるため、たとえばNext.jsやAstroといったモダンなフレームワークを使用して、静的サイトを作成することができます。

静的サイトの場合、アクセスのたびにページを生成するのではなく、アクセスの前に事前にページを生成しておく方式を取ります。

そのため、大量のユーザーからのアクセスがあってもサーバーへの負荷はほとんどかからず、大規模サイトでも安定した運用が可能です。

WordPressからヘッドレスCMSに切り替える場合、メディア運営に特化したヘッドレスCMSの「BERYL」がおすすめです。

  • WordPressに似た管理画面で操作がしやすい
  • Next.jsなどのフレームワークが使えるため高速化しやすい
  • 静的サイトを構築できるためアクセスが急増しても重くならない

など、WordPressでは実現できなかった高速なサイトが構築しやすくなります。

「WordPressサイトの表示が遅い・重い」ことに課題を感じていた方は、ぜひヘッドレスCMSの「BERYL」をご検討ください。

この記事を書いた人
BERYL編集部
「BERYL編集部」は、Web制作、CMS関連、Webマーケティング、コンテンツマーケティング、オウンドメディアなど、多岐にわたる分野で専門的な記事を制作しています。デジタル領域における最新の技術動向や実践的な事例を通じて、マーケティング戦略を強化するための情報を発信いたします。 また、SEO対策やコンテンツの最適化にも注力。ユーザー目線でわかりやすく解説し、企業のマーケティング活動やコンテンツ運営をサポートします。